2013年4月14日日曜日

うだつの町並みに花みこしが踊る   -美濃まつり-

花みこし


こんにちは。
また1ヶ月サボってしまいましたが、忘れずに見てくださってありがとうございます<(_ _)>

今年は桜の開花も早く、中部地方ではほとんど散ってしまいましたが、桜の開花と一緒に始まるのが「春祭り」
これから、バンバンご紹介していきますよ('▽'*)

そんな訳で、今日ご紹介する春祭りの第一弾は岐阜県美濃市の「美濃まつり」です。
昨年は残念ながら、同じ岐阜県中津川市の「杵振り祭り」と同じ日に開催されるため見ることが出来なかった「美濃まつり」です。
1年待ってようやくこの日がきたのですから、私も張り切って早起き!
カメラ2台を積み込んで、高速道路をブッ飛ばし一路美濃市を目指しました。

美濃市は、岐阜県のほぼ真ん中に位置する町で、また日本のちょうど真ん中辺りにもなる町なのです。
古くは上有知村(こうずちむら)と呼ばれ、長良川沿いに上有知湊(こうずちみなと)という川湊を持ち、その湊を拠点に船運貿易により栄えた町です。
その面影は、現在も国の重要伝統的建物群保存地区に指定されている美しい町並みに見て取れます。
なにせ、諺にも出てくる “うだつ” のあるお家がずらりと並んでいるのですから、かつての繁栄を伺い知ることが出来ます。
以前、このブログでも紹介した町並み散歩を憶えていてくださる方も多いかと思いますが、“うだつ” とは、簡単に説明すると火事になった際に隣家への類焼を防ぐための防火壁のことです。
その “うだつ” がやがて、家屋敷の豪華さを誇る装飾に変化していき、一般庶民のしがない暮らしを表現し、「うだつのあがらない」という諺を生み出したのです。
また、全国的にも高い品質の “美濃和紙” は、この町の伝統的産業で現在でも多くの需要を誇ります。


さて、町のご紹介は以前にもしたのでこれくらいにして、そんな美しいうだつのある町家を背景に行われる「美濃まつり」のご紹介に進みましょう。
「美濃まつり」」の華は、なんといっても地元産業の和紙をふんだんに使った “花みこし” が最大の見ものです。
桜の花を思わせる鮮やかなピンクに染められた美しい和紙に彩られた華やかな御輿は、岐阜という山国に訪れた春を寿ぐ喜びに満ちたものです。

め組のお嬢さん

御輿自体は通常の大きさではありますが、その御輿に取り付けられたシナイ(竹花)の本数は約250本~300本、高さは5mを越え、幅は7m余りに至り、その総重量は250㎏にも及ぶそうです。
各町内それぞれの御輿があり、30基ほどの御輿が勢ぞろいともなれば、それはそれは満開の桜並木のようです。
また、オイサー、オイサーの掛け声を発しながら、美しい町並みを練り歩く様は豪快でもあります。


お神酒を飲み干すオジサン


威勢のよい屈強な若者や働き盛りの壮年オジサンに混じり、若くて可愛いお嬢さんたちの元気な法被姿が豪快さにも色を添えます。
なかでも「め組」と呼ばれる御輿隊は女子だけで構成されていて、それはもう華やか事この上なく、大勢のカメラマンは他の神輿はそっちのけで、ただひたすら彼女達を追いかけてゾロゾロ。
まあ、そんな気持ちも分からないではありませんがね ( ̄◇ ̄;)



では、いつものように、ここで少しお勉強タイム。
「美濃まつり」の起源は江戸時代。
江戸時代の書物にわずかに登場しますが、はっきりとした起源は分かっていません。
当初は、この地の氏神様である八幡神社の祭礼として豊年満作を祝う秋祭りだったそうです。




この頃の祭りの形態は、村の長老たちが豊作の祝い歌を短冊にして笹竹にくくり奉納するといったシンプルなものだったそうですが、いつしか山車の曳きまわしなども行われる華やかなものになっていったようです。
そしてさらに月日は過ぎ、干ばつの続いた江戸末期、雨乞いの祭りとして定着したのが “町さわぎ” という祭礼で、各町内でそれぞれ趣向をこらした出し物をつくり、町を練り歩く行事だったそうです。



山車越しの花みこし

その形や出し物に紆余曲折があったものの、現在の “花みこし” の形態に至ったのは明治後期。
しかし、まだバラバラだった神輿の装飾を美濃和紙の産地らしく紙の花を付けた「シナイ」約300本を神輿の屋根に取りつけようという青年団の発案により、昭和の初めから現在の “花みこし” の姿が確立されたのです。


お勉強タイムも終わったので、この日の様子に巻き戻しましょう。
私の到着したのは午前10時。
午前8時半から始まるこの祭り、早くも街中は祭りの熱気にあふれていました。
車を駐車場に停めて、オイサーオイサーの掛け声をたよりに歩いていくと、いましたいました!
想像していた御輿よりはるかに大きい御輿にびっくり仰天(@_@;)



家々の軒をかすめて狭い道幅いっぱいに練り歩く御輿は、目にも鮮やかなピンク色。
なんて綺麗なんでしょう!
小さな酒樽を担いだオジサンが次から次へとお神酒を勧めてくれますが、いかんせん車で来ている私には呑むことは出来ません。
ワタクシ、よっぽど酒好きに見えたのかしら・・・(~_~;)
そんな陽気な具合ですから、担ぎ手はもう朝から出来あがっちゃってます。
ひょっとしたら昨夜から出来あがっちゃてるのかな?!



まぁ、年に1度の祭りですから、それもOKですね。
カメラマンの方々も大勢来ていらっしゃってます。
さあ、私も広角レンズと望遠レンズをつけた2台のカメラを担ぎ、いざ出陣!
町中に笑顔があふれる時間(とき)。
熱気あふれる美しい町並みに乱舞する色鮮やか “花みこし”
カメラを向ければ、人懐っこい笑顔でみんな手を振ってくれます。
知り合いなどひとりもいない場所だけれど、みんな友達のように懐かしく思えるのはなぜでしょう。



この瞬間を見たいから祭り見物はやめられません。
この瞬間を切り取りたいからカメラはやめられません。
次々と来る “花みこし” を夢中で撮りまくりましたが、さすがに一眼レフ2台は重たい。
背中に背負ったリュックにもレンズが2本・・・
神輿を担いだ訳でもないのに午後にはヘロヘロ、まったく情けない話です(>_<)
遅い昼食を摂って、また元気よくと頑張ってはみましたがテンション⤵
日暮れに始まる “美濃流し仁輪加” ( 国選択無形民族文化財)を見るまで頑張るつもりだったのに・・・
もう、スタミナが持ちませんでした。


あきらかに気合の入れ過ぎだったようです。
仕方なく車に戻り、しばらく放心。
そして、スゴスゴ退散、実に悔しいです(T_T)
一番見たかったのは、伝統芸能である“仁輪加”ですから・・・

ちなみに “美濃流し仁輪加” (みのながしにわか)とは、風刺と酒落をきかせた即興劇のことで、最後に落ちがついた漫才コントのようなものですが、江戸時代からの古い歴史のある大衆芸能です。
見たかったなぁ~(/_;)



やっと我が家に辿り着いたとたん爆睡状態の私にとっての痛ーい教訓は、次からの祭りのお供は一眼レフ1台とポケットに入るコンデジひとつに戻せ!ということでした。
「美濃まつり」は、毎年4月の第2土曜日と日曜日に行われます。
私の訪れた日は2日間行われる祭りの初日、試楽祭と云われる日で山車の巡行は行われない日ではありましたが、山車の姿も見ることはできました。



春の陽射しも麗らかな季節、皆さんも来年お出かけしてみてはどうですか?
では今日は、この辺で失礼します。
また、次の祭りでお会いしましょう(^.^)/~~~




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